「牙狼<GARO>-炎の刻印-」全24話視聴完了

中世ヨーロッパを舞台モデルとして人々の情念の重さにこだわった作風が、最終話に見事に昇華されており、中盤のぐだつきも吹っ飛ぶ爽快感があった。世界の継続と破壊どちらに加担するかは本人の気の持ちよう次第という説教くさくなりがちなテーマを、主人公の精神の成熟をじっくり描くことと、具象と寓意とを巧みに織り交ぜることで構成しきったという印象。また、作画の動かしぶりの鋭さに関しては、もっと語られていい作品だったと思う。

「Gのレコンギスタ」全26話視聴完了

作中の主なプロットである、三つ巴、四つ巴の戦況の変遷については自分はもしかしたら半分も理解できていないかもしれない。が、それでもやはり監督の伝えようとした“空気”を受け取ったという実感のようなものは持っている。どんなに混乱した現実、見通しの悪い未来を前にしても、人々は楽天性からくる明るさを原動力に歩みを止めない。そこに絶望するか、希望をみいだすかは視る側にただしく委ねられている。それが今回の監督からの問いかけだったと思う。カラフルな世界観とアクロバティックに組み合うロボット戦は、それだけで破格の輝きを放ってもいたが。