中世ヨーロッパを舞台モデルとして人々の情念の重さにこだわった作風が、最終話に見事に昇華されており、中盤のぐだつきも吹っ飛ぶ爽快感があった。世界の継続と破壊どちらに加担するかは本人の気の持ちよう次第という説教くさくなりがちなテーマを、主人公の精神の成熟をじっくり描くことと、具象と寓意とを巧みに織り交ぜることで構成しきったという印象。また、作画の動かしぶりの鋭さに関しては、もっと語られていい作品だったと思う。
中世ヨーロッパを舞台モデルとして人々の情念の重さにこだわった作風が、最終話に見事に昇華されており、中盤のぐだつきも吹っ飛ぶ爽快感があった。世界の継続と破壊どちらに加担するかは本人の気の持ちよう次第という説教くさくなりがちなテーマを、主人公の精神の成熟をじっくり描くことと、具象と寓意とを巧みに織り交ぜることで構成しきったという印象。また、作画の動かしぶりの鋭さに関しては、もっと語られていい作品だったと思う。