消しゴム

消しゴム (光文社古典新訳文庫)

消しゴム (光文社古典新訳文庫)

不可思議な殺人が起こった運河の街を訪れた若い捜査官の陥る迷宮。フランス語作品らしくやたら細部描写が多く迂遠な印象を受けるが、謎が収束していくクライマックスはそれなりに面白かった。光文社古典新訳文庫の常で、本番はむしろ発表当時の文化シーンを説明した解説の方。ヌーヴォー・ロマンの代表作としての真髄を感じるには、むしろ二周目の時が良いのかもしれない。