「ローゼンメイデン」第2話『少女のつくり方』

流れる時間の巻き方、導入から出来事まで非日常感に大きく振れていた前回から一転、現実でありふれた"こんなはずじゃなかった"青春を送っている数年後の主人公の生活が淡々と描かれる。そこでまたしても闖入してくる不合理な存在。その経緯がシームレスで滑らかに語られているのには、基底演出が地味なだけに惹き込まれた。週刊ムックでパーツを集めて一つの物品をくみ上げる実在する書店商品がもう一人のジュンからの干渉材料となったのは、大学生ジュンのバイト先に拠る意識下からの選択だろうし、その干渉を拒否せずに真紅製作に取り組みだしたのは大学生ジュンが何よりも自分自身の現状に嫌気が差していたいたからだと、バイト仲間の演劇少女とのやりとりから想像できるのが、脚本として優れている。また、バイト先店長の嫌味さを直截に描きながらも程よく生なましさをセーブして、無駄に視聴者にストレスを与えない按配にも感心した。そして全体的に照明演出が繊細で実写ドラマに近い雰囲気が醸されているのが、自分の好みにマッチする。次回以後も楽しみ。