「ジョジョの奇妙な冒険」第7話『うけ継ぐ者』

冒頭部分の、ツェペリの過去回想から現在の死闘へと意識が移り変わるシークエンスが非常に佳い。波紋使いの師・トンペティとダイアモンドダストが舞う紺碧の虚空を背に、一本の綱の上で運命について語りあうツェペリ。ここで舞う雪の方向は、風の動きにより通常と違い下から上へと吹き上げられている。つまり劇中現在時点から遡った場景であることの暗示。そして師から残酷な最期を伝えられた瞬間、風は強く上空から吹きつけ雪の粒は下へ叩きつけられる。カットは切り替わり、予言のイメージ通りの古代闘技場跡にツェペリの意識は戻り、天井から闘いがつづく床面へとカメラは移動し、時間の遡行は終わるという流れがさりげなく技巧的で、すばらしく端整な印象だった。
ところで、サブタイトルが「受け継ぐ者」ではなく「うけ継ぐ者」であるのは、ジョジョが師であるツェペリの遺言を受けて波紋使いの運命を正式に継いだという事であると同時に、厳しい運命を「請け」る強さへの賛辞も入っているように思える。あえて険しい道をえらぶ(現代の視点からすると)奇特さへの。