「ジョジョの奇妙な冒険」#3『ディオとの青春』

対称的な存在であるディオと出会うことで運命が動き出したジョナサン。その生涯における揺籃期の終わりを3話分で描き出した精密な構成ぶりに大きな満足感。1本のOVAや映画を観たほどのインパクトのある序章となった。
原作と比べて特筆すべきは、ディオを"突き放し憎むべき仇敵"というよりも"乗り越えるべき相手"として、まさしくジョジョと表裏一体の影のような存在として描いていた点。人間味のあるカットがアニメ版では多くなっていたと思うし、OPアニメでもこの2人を一元論のように捉えた演出でスタイルを決めている。ブランドー家を避けることもできたのにあえて自分の一族に引き寄せたジョースター卿の、受動的ながらも人物としての器の大きさをクローズアップしていたのも繊細な手際で感動した。善も悪もとりこんでの『生命賛歌』というジョジョシリーズの原点に立ち返りながらも、独自の解釈を付け加えるという文句なしのスタートダッシュぶりだった。