「坂道のアポロン」第5話『バードランドの子守唄』

女性ボーカルならでは(手嶌葵のこれまでの印象をくつがえす歌いっぷり!)のしっとりとした空気へ決着するカタルシスが心地いい。恋の告白からの顛末による鬱屈を、もっと長期に抱えてきた生き別れの母への想いに向けて気分転換するため上京する薫の目まぐるしい気持ちの変遷が、最終的には異性の心理をおもんぱかる青春の階梯の一段としてまとまり、夕焼けに赤く染まる駅のホームの美しさとともにBGMがさりげなく主張をはじめるタイミングのなんという気持ちのよさ。