序盤の教室で起こる惨劇シーンの流れがまさに圧巻。精神的に極限に追い詰められたために朝礼時の教壇で自らのノドに出刃包丁を突き刺して血だまりに果てる担任教師の、目をそむけたくなるほど長々とした断末魔の様子やそれを見せ付けられる格好となった生徒のリアクション。双方ともにあまりにリアルすぎて本当に驚いた。起こりえない事が現実化してしまう悲劇の様子をここまで丹念に描写した作品は、日常を舞台にしたものではちょっと他に類がないのではないかとすら思えてしまう。人間の生っぽい動作のアニメートに定評があるスタジオ・動画工房が作画協力としてクレジット。なお、死と同じ淵からくる耽美なエロチシズムを、鏡面関係のように置いた終盤の人形工房での主人公とヒロインのほのかな恋愛情動を示すやり取りにも強い印象を残された。本当に、レベルの高いテレビアニメだと思う。
