LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜

散文朗読と心象イメージ映像とアバンギャルド・ジャズとの組み合わせがめちゃめちゃ挑発的な冒頭部分にシビれまくり。この『新・嵐が丘』が毎回のOPだったら良いね。そこで語りかけられている通り、若き日のまだスタイルが完成しきっていない時代のルパンと、そのハント対象となり競い相手でもある峰不二子との心理面での"追いかけっこ"がメインテーマであるらしい。ダブル主人公制を採るのは、国民的人気シリーズの最新作としては正解だと思う。また最初の監督作であった「ミチコとハッチン」ではあまりにも独走しすぎていた観のあった山本沙代への、良い意味での錨にもなるし。とはいえ、はしたなくもとんでもなくハイスペックでつかみどころのない女が、刹那主義で快楽主義の世を翔び渡るピカレスク・コメディという題材に彼女ほど適任な人材がいるとも思えず、これは実に楽しみで胸躍る番組になりそう。小池健によるビジュアルもモンキー・パンチのテイストを活かしながらより洗練されており、ありえないほどいい。また、全体的な雰囲気としてポップでありながらどこか不安な薄暗さが漂う画面設計が印象的な点も同時代的で気をそそられる。