「NO.6」第5話『冥府の天使』

尺の短さが災いしてか、どうも世界観の狭さが息苦しかった本作だが、視点を別コミュニティに留学中の沙布に移すことでようやくドラマに広がりが生まれた印象。一方、当初からのライトモチーフである紫苑とネズミの同性愛的関係にも内的事情と外的条件それぞれの力関係が複雑に拮抗する兆しが見えたことで視聴モチベーションを生む牽引力が。どちらがリード側に転んでもおかしくない、どこか危うい室内のダンスシーンは洗練された象徴性に昇華されていた。ネズミの舞台シーンをはじめ、キャラクターに細やかに所作をつける動画仕事も上々。それにしてもスロースターター型だったなあ。