金融活動は個々人の未来や希望を担保にしているというテーマの上でキャラクターを絡ませるという異色作。膨らましきれなかったドラマも多いし、設定の説明不足も指摘しきれないほどあるようにも思うが、それでもその志の高いオリジナリティは良作の多かった2011年度春期アニメにおいても抜群だった。ダイアローグに頼りきらずカット構図の完成度であぶりだすという制作のタッグ具合も上々で、20数分が常に短く感じられる作品にめぐりあえて嬉しかっただけに、1クールという短さだったのはかえすがえすも残念。それにしても岩崎琢の音楽は極上だった。一見ドライなつくりに見えて底にクラシカルな物語性がある作品に彼の仕事はよく似合う。
