モンタージュ

モンタージュ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

モンタージュ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

現在、4巻まで刊行、今回読んだのは第2巻まで。
かの三億円事件をモチーフとした頭脳戦型逃亡劇。事件を公権力の絡んだ陰謀と設定しているようなのだが、手付かずのままに隠されていたその略奪物が、平成のこの時代においては即物的な目標到達のための資金と見られているような節が描写においてほのめかされている。かつて、何者かが何らかの権益を見越して象徴的に奪った現金が、現代においては単なる欲の象徴として争奪戦の的となっているとすれば、皮肉としかいいようがないわけで。その醒めた視点がひどく挑発的に感じられて面白い。