「心霊探偵 八雲」全13話視聴完了

二時間サスペンスドラマの手法で視聴者の興味を引っ張り、オカルトホラーで軽く味付け、最終的に残るのは青年の成長を主題とした人間ドラマ…という企画性にブレはなく、その点において余分な小枝をバッサバサ切り落とした脚本の粗さギリギリの手管も評価できる。ただ、八雲の最終的な敵だった父親の生い立ちや長期的な目標、死んだ時期の描写などをまったくといっていいほど割愛したのだけは気になったなあ。とはいえ、素直に推理を楽しめる部分あり、てらいのない絆の表現にじんとさせられ、ビィートレインアニメ独特の透明感のある少女の愛らしさに目を惹かれ、どこで習得したか意味不明ながらも悪役美女の超絶格闘技にはアクション心を刺激され、と娯楽作としては十分に及第点。好感の持てるシリーズだった。キャストもおしなべて好演。特に主人公の叔父役の関俊彦と、偏執的な犯罪者役の柚木涼香の演技が印象に残った。