それでも町は廻っている

梅津泰臣プロデュースによるOPがまず素晴らしい。顔の表情と同じくらいに身体の“表情”に気が配られていて、手足、胴体のその動きに目を取られる。本編もなんということのない、というかストーリーと呼べるほどの展開のないタイプのコメディゆえに、キャラクターのセリフの掛け合いや個々の仕草、光線の按配ふくめた舞台の細部描写に勝負が掛けられているが、その効果のほどは、安っぽいビニールカーペットの懐かしい柄にいたくノスタルジーを刺激されたという一言で伝えたいと思う。あの町に住んでみたい。そう思えるだけで十分な作品群というものがある。