「世紀末オカルト学院」視聴完了

総じてキャラクターに感情移入をひかえめにさせる趣向は、主人公やヒロインではないサブキャラの視点で進行する結末の一連シーンにおいて奏功していた。オカルトというなんでもありな飛び道具をモチーフとするにはB級娯楽の定型を踏むのがベターだと制作上で判断したのだと思うが、説明不足な点(たとえば幽体離脱編でこずえが自我の一部を喪ってもどってきたのは「忘却の河・レテ」の水を飲んだからだろう)を補える演出のこまやかさで押し切った勢いは、新人監督らしからぬ一徹さと、手馴れに頼らない誠実さが同時に感じられる仕上がりぶりだった。単純なクライマックスではない成長の痛みをともなった最終話により、長く印象に残る作品になりそう。