戦う司書#15「少女と少女と神の寝床」

サブタイトルで何度も『少女』とミレポックとアルメの若さという名の純真を強調していた意味がじわりと効く、苦いというには乾きすぎた結末。世界の矛盾と理不尽に悩みながらも前を進むと決めたことでミレポックの方が先に迷いから抜けた。あとは手段あるのみ…。ミレポックが武装司書としてのキャリアを固めつづける事に揺らがなかったのには、指導担任とおぼしきマットアラストへの個人的な信頼が大きいぐらいにしか心理的背景が読めないのだけど、それでも彼女がそもそも秩序を重んずる性質であるとは作中で示されていたので、ストーリーの大枠に特に疑問はない。清清しささえ漂う西部劇のような味わいのエピソードに仕上がった(シネマ揺籃期をところどころ意識させる画面演出ともどもに)。イブニングドレスのようないでたちで街中を昼にぶらぶらしてたささいな違和感も、ホテルの部屋に脱ぎ捨てたままチェックアウトしたカットでしっかりオチたし。しかし前館長代行の魔法権利なによ。そのへんの鈍器を一撃必殺にすることとかか? あと喪われし戦機ヨルは剣の方が本体で、魅入られた人間がそのしもべとなっているようだけど、これはハミュッツの秘密にもなにか関係してきそうな気がする。