2008.9月号

たこ焼き器や電動かき氷器を読者プレゼントに持ってくるこの生活感にほっこりする。
<新>よくわかる現代魔法(桜坂洋+早坂未紀):古典魔法の子の乳が読切版よりでかくなってるような。オカルトをプログラミングに例えるのは分かりやすくていいアイデアだなあと思う。どちらかといえば苦手な絵柄だけど、画面がよく整理されていて読みやすい。貧乏神が:カラー扉絵の構成と塗りいいですね。体操服の市子が特に。本編もギャグネームの空回り率が減ってきたと思う。テガミバチ夏らしくホラー風変化球。主人公のアイデンティティが溶解するのって怖いよね。しかしニッチのアザ付けハンパネエー ロザバン気温40度を風情と笑顔で言い切るのはたしかにモンスターだ。みぞれの誘惑の動機付けは自然で良かったす。クレイモアヴィンセント司祭のギャグセンスのキレに惚れた。あと作者の美的センスの錬度も相当だと思う。真の美しさはグロテスクの内に。エンバ:この章おもしろすぎ。昭和中期の少女漫画みたいなお涙頂戴的世界観に、粗忽なパワーキャラの乱舞。和月テイストすぎてワクワクする。アザ公は(フィリップ込みで)うったえて勝て! あとコラムの文章が散文詩的でこちらも味があった。上流よりも中の上の方が必死な分だけより感じ悪いとかリアルっぽいし。罪花罰柚子はひなと結婚して尻に敷かれるといい。しかし今回のプロレタリア文学的オチ好きだわー。この人の引き出しの数と深さにもドキドキする。<読切>深山鶯邸事件(加藤和恵):TISTAのアシされてたらしいけど、上手くダーク演出を取り入れたなという感じ。そんな中でも少女の純粋さを描く瞬発性のあるコマが。あと悪魔猫…いや猫悪魔?かわいい。叔父の近親姦臭も昭和文学ぽくてカコイイ <読切>俳優伝説(地獄のミサワ):この人のセンス好きだわ。だよね?右ヒザ…?とかフウーフ!とか。まったりした緊張感がいい。<読切>彼女を海に帰さなきゃ(池田ミサ子):あー大分スポイルされててちょい拍子抜け。SQ2で見せてたエッジ傾向をもっとまろやかかつ伸ばしてほしかったところなんだけど。
古屋兎丸ってあんなソフトな絵も描けるんだ。ガロ出身作家、まさかの二人目登板。あとアシ募集欄にテニス漫画の王子様がいたのも気になる。