全体的な完成度では近作「創聖のアクエリオン」を上回るとは思わないけど、菅野よう子ここにありと示すに十分だったアニソン最新作「射手座☆午後九時Don't be late」の瞬発力の秘密は、タイトルフレーズ部分の詞・曲とものダサさにあると思う。前奏部から『あーげる〜アゲルっ☆』という直前までアイドルソング特有の高揚を続けておきながら、いきなり『いてざごごくじドンビーレィッ』と狙ったアンマリセンスぶりで鋭角に盛り下げる。ここに天才が采配する飴と鞭があるのだ。プロとしての羞恥心をともなった時代の空気をよんだ矜持といってもいいと思うけど。…あ、今回の作詞の人を無視してるわけでなくて、曲における全体プロデュースを菅野よう子が携わってるという前提の話です。