桃華月憚#22

「陰」:転入間もない頃の桃花が原因不明の全学的いじめに会う話。その様子は日本社会一般の全体主義傾向からくるもののようでもあり、また上津未原独特の閉鎖性からくるもののようでもあり、どちらとも判別がつかないあたりが実に巧いと思った。二宮会の意向がいじめのきっかけだという描写があった(一時的に桃香を閉鎖空間に閉じ込めたのも三姉妹の意図の一部だった模様)ものの、行為がエスカレートする毎に“この生徒たちノリノリである”という感じになっていって、いじめのためのいじめという色合いが濃くなっていくのがなんともサイコホラーだった。落としどころは桃香が迎えにくることで桃花のセイとしての能力暴走に寸止めがかかるというものだったが、まあ半イレギュラー的エピソードで、シリーズ構成的にはあってもなくてもよい感じではある。とはいえ、山本麻里安担当のこれまでの三話分はどれもバラエティに富んでいてその点に感心。あと胡蝶三姉妹の暴走ぶりが楽しい。