桃華月憚#9

「雪」:陳腐になりがちなクリスマス話だけど、淡いラブストーリー+半オフビートギャグ+伝記設定開陳という複数の要素を盛り込んで、なおかついつも通りの精美にして端麗な作画で仕上がっているので印象に残る可憐なエピソードに。まこちゃんが鬼梗に聞かせたくつしたにまつわる伝承が桃カップルのシーンに繋がっていたのもきれいだったし、「大体いつからクリスマスが軽薄な恋人同士のイベントに」と澄まして言ってる真っ最中の章子の顔にケーキが激突する間合いが絶妙で吹いた。小林ゆうさんいい演技。さて胡蝶三姉妹は釣り目が長女と判明。そして彼女らが由美子=ジュナのことを「奥宮様」と敬称で呼び、なおかつジュナが上津未原の天候すら操れることからいって、ジュナこそがあの地域を呪術的に支配している存在であると。とすれば、おそらくはジュナが決定的に、禍つ神に堕ちないように目を配っていると思われる鬼梗が生み出した存在である三姉妹や桃花はジュナの力を分け与えられて依り代に定着できている存在なのかも。