30年続いた「笑っていいとも!」終了の報は、何事にも終わりがくるという真理をまたしても静かに実感させてくれた。
竜との舞踏 1
- 作者: ジョージ・R.R.マーティン,George R.R. Martin,酒井昭伸
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/09/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る
物語における時間軸は前巻と並行する形に後戻りしているため(と何らかの理由-たとえばドラマ版協力からの多忙-による作者の筆の鈍りもあるように見受けた)に、読み始めの数章は文章に従来のテンポのよさが感じられなかったが、最重要人物の一人であるデナーリスが自分のドラゴンたちの脅威を認識してからは調子が戻っている。…ただ、第4部以後はそれまでの怒涛の王位争いの展開速度が下がり気味で、その流れをうけているこの第5部は、直線的な事象展開よりもこれまで書かれる機会がなかったキャラクター・プロフィールを補填する小話の割合が高いきらいがある。それはそれで楽しい(特にターガリエン家の夫婦二例を脇から見ていた騎士バリスタンの語り!)のだけど、完結の地平線が見えてこないのは愛読者としては気を揉まざるを得ない。とはいえ、再来月に出る巻では物語はふたたび大きく動いていくそうなので今後が楽しみなことに変わりはないけれど。