物語が開幕してから迷宮攻略を達成する最初の山場まではテンポの良さにより手放しに高いポイントを付けられる。が、それ以後はアラジンとアリババが離れていた時期の長さや、『魔法冒険譚』という宣伝文句のわりには鬱々とした心理描写が多いなどからくるモヤッした印象で低下傾向にあったが、それでも視聴をやめようと思わなかったのは、一貫して描こうとしている"『運命』の肯定の仕方"というテーマの堅実さのため。最終話はその点についてアラジンのセリフ(自分ひとりで抱え込まずに視野を広く仲間と共有することで世界の意志が見えてくる…という主旨)で一つの形が付き、戦闘描写の派手さもようやくの思い切りがあってカタルシスがそれなりに得られた。結果オーライ、という感じ。発表済みの第二期もこうなればマイペースでやってほしいと思う。ただし、今度は折々に描写の伏線を回収するスッキリ感も欲しいが。
