機械仕掛けの愛(1)

機械仕掛けの愛 1 (ビッグ コミックス)

機械仕掛けの愛 1 (ビッグ コミックス)

AIが人間と変わりないほどに進化した近未来で、人間とロボットとの間に生まれる愛(またはそれによく似たなにか)。基本的に読後感は暖かい。と同時に突き放されたようでもある。とはいえそれはシリーズタイトルからすでにあるアイロニーの正しい発露なのだけど。一番考えさせられたのは、家族写真を記念に撮って終わる話。これは果たして円満なハッピーエンドなのかバッドエンドの予兆なのか? もっとも構成が濃密だったのは種をまく話で、SF界隈でけっこうトレンドなバイオ特許独占がアイデアの一つ。ところで、ギャグ漫画が多かったこれまでの作者の傾向からすると、一般的なストーリー漫画の手法に大きく舵をきっていることに気付いた。テーマ性がよりストレートになっていることともちろん関係していると思う。