2022年4月に読んだ本

フロイト、夢について語る

フロイトは名著『夢判断』のあとにもちょこちょこと夢と無意識とにまつわる論文を書いていたそうで、それらを集めた内容だけに(ん、先生その話まえにもしてなかった?)と読んでいて思わなくもなかった。それだけにフロイトの著作の良さが再確認しやすくもあって、まず先生は、自分自身の夢に対してもなかなか容赦なく無意識の現われを腑分けしている事。極めて率直な姿勢であると思う。(もっとも性にまつわる診断は入ってなかったけど)それから、フロイトの書く文章は医学論文にしてはかなり創造性が高いのではということ。要するに読み物として耐えうる、書き手の意思表明に満ちている。…それが発表時から後年にいたるまでの絶えざる粗さや強引さの指摘のもとになっているきらいはあるものの、やっぱり自分はフロイトが見出した無意識という領域の意義は大きいなと思う。