2020年5月に読んだ本まとめ

ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの 

 系統だった学問で触れたわけではないので、自分にとってフロイトはいまだ有効な大・大・超心理学者である。この原典的な著作に触れたかったのは、大流行漫画「鬼滅の刃」主人公の炭次郎に(しかし何かこのキャラの言動や思考傾向に気味悪さがないだろうか)と感じた事にあり、本書を読んでみて、人が不気味に感じるものには、隠された力があるパターンの読み取りが可能とわかって腑に落ちた。そのほかにも、神話や寓話で頻発する“3つの小箱の選択”でなぜ常に三つ目が正解なのかという解釈、フェティシズムの根源に幼児期の性的ショックがあるという説など、やはり今でも読み物としてスリリングに感じた。