神戸・続神戸
俳人・歯科医・輸入商とさまざまな顔を持つ著者から見た国際都市・神戸の戦中と戦後の雑多な光景。自分はどこか枯れた空気と乾いた匂いが漂う『続神戸』がより好き。
進駐軍に雇われて水道修理の手配に奔走するエピソードが面白いし、
俳人としての迷いもいい味わい。
未来のアラブ人
シリア人とフランス人の両親を持つ1978年生まれの作者が、バンド・デシネのシリーズとしてかつての自分の視点から暮らしてきた国の様子を描く。中東の民族風習、国家行政の西欧社会との違いは言葉の綾でなく驚きの連発。が、子供の
イデオロギー抜きの目線で語られるので読んでいてストレスがない。不思議とどの国家もどの個人も愛すべきところがが見つかってしまう不思議なタッチ。