宇宙探偵マグナス・リドルフ

初老の一見して物腰ソフトな紳士にして数学者、副業は銀河を股に掛けるトラブルシューターのマグナス・リドルフの事件帖ということで、ミステリー部分よりとうぜん博物誌的な部分が面白い(あと腹黒世間知合戦も)。かといって、昔ながらの推理小説の醍醐味である犯人探しの過程がつまらないかといえば決してそんなこともなく。個人的には、作家ヴァンスにここまでくだけた側面もあったのだなあと今になって感心しきり。