「純潔のマリア」全12話視聴完了

最終話、キャラクター同士が問答する展開で主に構成されていた印象があるのはちょっと残念に思った。一神教の主の代弁者があんなに話し合いで譲歩してくれるだろうかというかすかな違和感もあるが、そこは多神教の影響がまだまだ色濃く残っている世界観においてはさほど瑕疵にならないかも。個人的な好みの傾向からいえば、マリアの身の置き所よりも彼女の意志の輝きの方を物語として優先してほしいと感じたが、それは彼女の魔女としての力の行方などが不明瞭にみえた不完全燃焼の印象と連動している。
ただ、終幕を別にすれば中世末期のヨーロッパの風俗をしっかりと描きだしたことによる骨太ぶりは今期のアニメの中でも1、2を争う面白さを導きだしてくれた。原作とは別の展開をみせているらしいが、最近はそのパターンのアニメライズが多くなっていて建設的というか挑戦姿勢が良い傾向だと思う。