鬱ごはん

既刊1巻。その時々での食べたいものを入手する事にはこだわるけど、シチュエーションあるいは体裁はどうでもいい、むしろ一人の部屋でじーっと味わいたいというグルメ漫画というべきかアンチ・グルメとするか、どちらか正確かわからなくなるのが面白い作品。作者自身の投影が大いにあると思われる主人公は、健啖家でもないし美食家ともいえない-B級フードが主食といっても過言でない-が、やけに衛生面にはこだわりを見せるそのイビツさに実在感があって妙に親しみを覚える。エッセイ漫画のスタイルながら、オチがいつもちゃんと付いているのも満足度が高い。花火大会の穴場を見つけるエピソードなんか最高である。これは、折々に触れて再読したい作品。夜行バスの暗い車内でこっそりタブレットで読むのなんてしっくりとハマると思う。