「キルラキル」全24話視聴完了

舞台芝居においては、生身の演者の肉体を介して物語が構成されるために、現実世界における世代別ステレオタイプがおのずと有効化される。本作中盤における、流子が生みの母に晦渋されて“良い娘”となり世間の押し付けのままに服を着せられるというアナロジーや、最終回での「セーラー服とは卒業するものだ」というセリフの感覚はそこから由来するものと自分はみた。劇団付脚本家として名を馳せてきた中島かずき氏のシナリオは、アニメの土台とするには演出上の工夫がより細心に必要なのではないかと思った次第だが、そういったシーンごとの前後の繋がりの薄さ、見せ場ごとのインパクトに押される形の構成の組み立ての弱さを差し引いてなお、パワーが鮮烈な作品ではあった。サブキャラクターに過ぎないかと思われていたマコ、主人公並みの強い個性をそれぞれ見せていた本能字学園四天王など、好感の持てる登場人物の多さも特徴的。