砂男/クレスペル顧問官

砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫)

砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫)

繊細な神経を持つ男性主人公が、美女や幼児体験に魅入られて人生を自ら崩壊させる(「砂男」の終盤での舞台が高楼なのはヒチコックの「めまい」を思い出させる)というプロットが作者のメインモチーフだったように感じた。三篇の短編の中で、ラストシーンの情景が美しい「クレスペル顧問官」が特に好み。