失踪日記2 アル中病棟

失踪日記2 アル中病棟

失踪日記2 アル中病棟

前作での状況よりも身の振り方が定まった頃がモデル時期のようで、作者の観察者としての視点がフルに活かされた入院見聞記としてまずは無心に楽しめる。患者たちの個性の豊かさはおそらく世間一般よりはるかに上。そして読み進めていく内に、日常生活への俯瞰した感慨が滲んだコマの割合が増えてくる。不安と穏やかさと、読みきれない予想を超える何かが溢れた『しらふの』世界。これは吾妻ひでお版「魔の山」だ。