第2巻まで読了。『〜リオン』とは、祝福を意味する言葉として意識して、
ジョジョシリーズの第8部にあたるこの作品に冠したとのこと。東北地方の架空の街を舞台とし、それはつまり2011年3月11日に起きた
東日本大震災についての言及を意味することを思えば、これまでの冒険活劇とは色合いが異なっていくのは自然に感じられた。キャ
ラクターたちも
現代日本の住民としてはまずは違和感なく、感情反応も比較的穏やか。また、
ジョースター家に繋がる血筋を主人公が持っているかどうかは、現在不明。彼は、海から来たらしく(水兵服を着ている)異能の力を持っている。それだけしか分からない。正体不明の彼の存在については『呪い』という言葉がつきまとう。この物語は、呪いを祝福として転換するために捧げられたものなのかもしれない。あの冬のおわりの季節に、突如やってきた海からの黒く大きな壁を、虚構空間上で組みなおすための、そんな試みを仙台出身の
荒木飛呂彦は始めたのかもしれない。ともあれ、ミステリーサスペンスとしても娯楽性は高いので、
ジョジョファン以外にもオススメできる。