「PSYCHO-PASS」#4『誰も知らないあなたの仮面』

チャットルームでのやり取りを仮想空間として視覚化していた(同じくProduction I・G制作の)攻殻SACの1エピソードを思わせると同時に、インターネットサービスの流行の移り変わりを反映してコミュニケーション空間がそこからさらに自由度が高く進化している様子が感じとれるのが面白い。さらに、オフ会に潜入調査する執行官たちの「顔も見えない相手と密閉空間にいられる神経がわからない」という会話で視点の奥行きを演出させている点も、作劇上の進化のあらわれといえそう。川崎逸朗によるコンテが、さりげなくもトリッキーでさらに仕上がりを上質に仕立てていた。様々な材質の透明なフィルター越しに、キャラクターたちがすこし歪んだ像で写る。そのとき、視ているのはフィルターのこちら側なのかあちら側なのか、はっきりした事はわかりづらいのだ。