バングラデシュ、インド、
南アフリカそれぞれの国で一日あたり二ドル以下で暮らす何十もの世帯の家計の動きを長期に渡って聞き取り調査することで得られた数々のデ−タから、低所得層には需要がないとされていた金融サービスの柔軟な在り方の可能性を探る手掛かりのための書…といった趣。その語り口からデータ検証の着眼点がいまひとつはっきりと自分には見えてこなかったのだが、調査対象である個々の家庭のプロフィールはなかなか詳細に紹介されていてそこに読み応えがあった。同じ所帯に住む家族の要求から将来の必要経費を護るために、信用ある近所の他者に預かってもらう「マネーガード」や、受給者同士が講をつくって年金を持ち寄り、一人にその総額を手渡すという手順を順繰りにまわす-- 等の
低所得者ならではの"手作り
マイクロファイナンス"といったシステムの紹介箇所が非常に印象に残った。