日本の作家が語る ボルヘスとわたし

日本の作家が語る ボルヘスとわたし

日本の作家が語る ボルヘスとわたし

日本の『ボルヘス学会』が開く定例会にて、作家が講じたボルヘス作品や作者本人への考察内容をテキスト化したもの。当然ながら個々のアプローチが様々で面白い。中には「ここに呼んでもらってなんだが、昔も今も自分はボルヘス作品がよく分からない」という率直な告白もあったりしてボルヘス初心者に留まる自分としては大いに励まされた(笑) 高橋源一郎氏が述べる"ボルヘスは小説家である前に詩人であり、詩人とは成ろうとして成れるものではないのが小説家との違い"という箇所がもっとも印象に残った。ボルヘスに興味がある人なら、たとえ作品にまだ触れたことのない人でも楽しめる可能性が大いにある本。いわば迷宮パズルの手引きとなる一冊なのだから。