なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか

なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか (講談社現代新書)

なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか (講談社現代新書)

公開三作めにあたる「Peace」の成り立ちと制作過程を追う外郭で「観察映画」と自ら名付けたドキュメンタリー手法の持論や、デジタル機器の進化により新規参入が飛躍的に手軽となった現状を紹介したりと、観客へのアプローチであるとともに、より積極的にカメラを通して表現する世界への案内ともなっているので重奏的な読み味がある。著者の映画を観た事がない読者でも、映像表現に興味があるなら楽しめると思う。氏のこれまでの作品の内容がさりげなしに分かるのも気が利いている。