ラウィーニア

ラウィーニア

ラウィーニア

ローマ帝国に生きた詩人ヴェルギリウスの作品『アイネイアス』に出てくる王女・ラウィーニアの目から多神教時代のヨーロッパを眺めたら…という趣向。彼女の一人称によってアイネイアスと結ばれるまでと短い結婚生活が語られるが、少女時代と老後とが、時間の流れる体感が違うように読めるあたりがすばらしい。歴史人類学的な視点が根幹にあるあたりは「オールウェイズ・カミングホーム」に通底している。