「[C] THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITY CONTROL」第2話が初回以上に特色が目立って面白かった件。

バトルシーンが出てきたというわけで今回からが本番。仮想空間の住人でアセットと呼ばれる存在であるヒロイン・真朱も登場。彼女やもう一人の美少女アセット・Qの土台のキャラ付け-ツンデレ性質やなのです口調-やキャラクターデザインからいって、今回は中村健治監督にはめずらしく萌え要素が取り入れられている。だが、真朱が『ディール』と呼ばれるバトル中で見せる動きは人間とあまり変わらない速さだし、痛覚すら持っていて(流血もわりとリアルに描かれるし)爽快感よりも実在感を選択した演出ぶりなのだ。そして状況を飲み込もうとしない主人公に見舞うビンタはそこそこ重そうな往復ぶりというツンデレというにはキツすぎる自我(笑) かたやQはといえば仮想空間のガジェットとはいえ煤けたような色合いでピン札でもなさげな通貨をむしゃむしゃ… けっこうヒく。が、それでも可愛いのである。二人ともその奇矯さが、華奢で折れそうな肢体と目の大きさがアンバランスな顔に添えられる、少女としての具象をよく表わしていて触れてみたいような可憐さを振りまいている。これはいわゆる異化効果とも言っていい演出スタイルではないだろうか。目が若すぎて未成年以上というにはムリが感じられる三國のコンビニでのエグいセリフ「お前の顔を見ずにすむなら安いものだ」でも、自分は思わず吹き出してしまったが、キャラクターデザインを生み出したプロデュース要請と、リアルな社会を生きる空気感を活かした脚本(メインシナリオライターと目される高木登は池袋が舞台の「デュラララ!!」で注目された)との齟齬をあえて前面に出しているようで、まったく悪くないなあと感じたのだった。