「STAR DRIVER 輝きのタクト」全25話視聴完了

終盤の尺の足りなさぶりに少々評価を戸惑っていたわけだけど、「一貫して演劇的な見せ方をしている作品」という感想を目にして、ようやく自分も結節点を見つけることができた。説明や描写の足りない箇所(たとえばタカシとは結局大きな器を持つ人物だったのか思わせぶりなだけの小物だったのか)は散見されど、それは視るこちらの既体験からくる想像によって補完すればよい。なぜなら、舞台と観客席とは地続きなのが演劇という方法論の特色だから。どうとも捉えても良い自由さがあるというわけ。いい意味で、ノリでつっぱしった青春謳歌アニメだった。ロボットものとしての要素はそれに対してのさしみのツマであり、ピリッと効いた薬味であり、総じての見応え、完成度ともにこれまでの土6/日5枠ではダントツにトップだと思う。そして何より存在感の確かなオリジナリティ。これです。タクトが最後に斬って倒したものは何で、南十字島やそれを包括する世界は何を失いどう変わっていったのか? それは、観た者それぞれがこれからの『人生という冒険は続く』なかで折々に違う答えを見つけることだろう。