「黒執事ll」全12話視聴完了

2クールあった第一期と比べての短期戦ということで、コメディ要素とアクション作画面に特に磨きをかける焦点を絞り込んだ土台の確かさで総じて安心して楽しめるシリーズになったけれど、オチがいまひとつ理解しづらかったのは画竜点睛を欠くといった印象。最終話よりもむしろ盛り上がっていたのはその手前の回で、庭園迷宮で繰り広げられるクイズショー仕立てというメタフィクション・ギャグの背後にアロイスの愛への渇望を潜ませ、その概念を裏返す動作の構図が、悪魔ハンナの包容力ある優しさと冷徹さという相反する人間への対処に重なるという脚本の仕事ぶりが見事だった。しかしさあ、悪魔の誘惑ってもしかしてもしかしたら、単なる堕落とかではないんじゃない?…などとふと真顔で考えさせられるのだ。