ボルヘスのイギリス文学講義

ボルヘスのイギリス文学講義 (ボルヘス・コレクション)

ボルヘスのイギリス文学講義 (ボルヘス・コレクション)

ボルヘスはアルゼンチン国立図書館館長とともに一時期は大学講師を兼ねていたとのことで、本書はその際の講義メモが元になっていると思われる。訳註で述べられているとおり、記憶違いによる誤記もいくつかあり、また略史として読むには少々作家の選択や解説内容が偏っているようにも思えるが、それもまたボルヘスらしい名文のリズムの源に変わっているようで味わいがあった。知識的になじみのない「アングロサクソン時代」の項はふつうに勉強になる。