「エレメントハンター」全39話終了

ジュブナイルアニメとして良質。メインキャラクターそれぞれが生まれ持ってきた基本性格にかててくわえて生育環境、さらには現時点でのコミュニティポジショニングが加味されてのドラマ展開は、それだけで見ごたえがあった。個人的には天才気質で一歩仲間の輪から引いていたトムの、さりげない変化が印象に残った(カー博士のラボでのつぶやきには、ちょっとした失恋の匂いすら感じられたり)。
科学設定面は飛躍が大胆だったこともあって、そちらの方面に疎い自分には評価軸がないけれど、最終局面において、文化人類学でいうところの『言霊』とビッグバンとが重ねあわされたりといった専門性に堕しないアプローチはなかなか気持ちが良いものだったし。
このアニメの大きな特色として、実制作のほとんどを韓国のプロダクションが担当するという点があったけど、キャラクターデザインが頭身の低い韓国アニメーターの得意な絵柄(と思われる)だけあって、なかなかに安定したアベレージで終始。ただ、演出側との以心伝心がいまひとつなのか、どこかテンポが平板なフィルム仕上がりとなっていたのは否めない。そこに同形態における今後の伸びしろを期待。