エレメントハンター#13「破滅を呼ぶ特異点」

やりおった。さすがNHK教育、ごまかすことなく人生の無常と不条理を淡々と描きおった。公正にして思いやり深い優等生少女アリー、平行世界にて不慮の事故に死す。月下美人のように夜に輝く食虫花タイプのQEXがあくまで美しく、それがかえって彼女の最後の生の数秒をやるせないものとした趣向が出色。レンをかばったその死は決して無駄ではない。だけど、立ち会った者たちがこれからいかなる負荷を持って生きるかについては、思わず現実世界の事のように考えてしまう。親にも内緒の任務だし、ホログラムのカー博士に十全のフォローができるとは思えないし… あ、特に悪意もなく焚きつけたトムはきっとほとんど気にしてないんでしょうね。彼のようなタイプを倫理と関係なく描いてるアニメはほんと珍しいと思う。ある意味、アリー殉職の舞台をつくったコロニー委員会の大人たちの画策よりもショッキングな描写だったわ。ともあれ、1クール最後の回にてOPのシリアスな雰囲気に到達。印象的なターニングポイントに仕上がっていた。