キスダムR#17

脚本、演出、作画のそれぞれの要素の粒が揃った秀作回。冬音エピ前編も良かったけど今回はそれ以上に叙情が出てた。メインである七生、由乃、樹(嘘をつつかれるのが嫌なら樹を置いてけばいいのに、義務感が邪魔するあたりがなんとも七生のキャラらしいなあ。すぐ行き詰ってグーパンして逃げ出す顛末含め、優柔不断というか人としての中途半端ぶりが素で魅力的。スタッフやキャストに人気あるのも当然ですわ)だけでなく、イエラ、乃亜、田中というもう一つの三者関係もあぶりだしてて巧いなあと。主人公がほとんど出てなくても全然わき道回という印象がないあたり、群像劇の色合いも濃い作品なんだなと改めて。しかしイエラも樹も男前すぎる。なんだこの漢たちは。特に前者は絶対こいつが真のネクロダイバーだ。(…不死者って意味だったよね?) さて、ところが今回の真髄はオマケ映像部分にあったわけですよ。担当作監の高橋典子がインタビュアー役に回った小美野雅彦(しかしこのコンビの“よく訓練されたオタク”ぶりは並じゃない。どういう猛者なんですかこの人ら)相手に、いかに七生と樹の相克部分に念を入れて作業したかをてらいなく語り(たしかに由乃と抱き合った時の七生の表情の複雑さは凄い印象があった)折りしも『樹は実は七生が好き』という裏設定があっさり明かされるわけですよ。そんな伏線にあたる描写が一切なかったことをこんな部分で言われても(笑)作監にすら当時伝わってなかった設定ってば、一体だれのためにあるんだ… (でも確かにあれほど親身に説諭するってのはよほどの思い入れないしは『思い込み』じゃないと無理。ふつうならあんなのっぴきならない欺瞞はとりあえず見て見ぬふりすると思う)…おっと今回は感想おもわず語りすぎちゃいましたね。