無限がいっぱい

無限がいっぱい (異色作家短篇集)

無限がいっぱい (異色作家短篇集)

異色作家短編集を平成新版で読み始めておおよそ一年ぐらいだろうか。そろそろ各篇の見分けが付かなくなってきた… さて。シェクリィは二十年ほど前に「人間の手がまだ触れない」を読んで以来。その頃からの印象は“自他の境界が物理的-そして時には心理的に-融解していくユーモアSF”。その意味では『ひる』が一番イメージに合致するかな。書中ベストは『先住民問題』。社会不適合とは結局、演じるべき役柄を自分で見つけられない状態なんだよね。あと『愛の語学』が恋愛の真理をまわりくどくも博覧強記な語彙であぶりだしていて面白い。それと『倍額保険』は中世ヨーロッパの歴史点描ぶりが楽しいですね。