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地方の海岸地帯を舞台に、高校生男子たちの競技水泳を軸とした青春を描く。空気としてはわりとゆったり気味だが、その分プールでの動きのシャープさが目立つ。なにより、水エフェクトのリアルな質感が目を引く。感覚としてストレートに気持ちがいい絵作りになっているのは、さすがの京都アニメーション

ファンタジスタドール

ネットサービスのアバター機能と、カードゲームバトルの要素を組み合わせた感じ…なのだがストーリーがどこを目指しているかはよく分からないのが不思議な視聴感の初回ではあった。心を通い合わせるヒロインとその使用キャラたちの描写はあるので、煮え切らなさというにはあたらないのだが。記号化がゆるやかなためにいまひとつ垢抜けないメインキャラクター、さらにもっさりとしてやけにリアルなモブキャラクター(マスク率の高い種々様々な年齢層の人々)などを眺めていると、これが東宝アニメのスタイルなのかもしれないと思う。つまり、あまり乖離した空気感をまとわせて一般層の取り込みを阻害したくはないという意図の表れではないかと仮説したい。

「よんでますよ、アザゼルさん。Z」全13話視聴完了

原作エピソードからの圧縮感が第一期より増していたのと、悪魔たちのプリティさが比較して減っていたのが少々物足りなかったものの、その代わりにネタのエグさで差異化していたのは結果としてよかったのかもしれない。唯一、第一期を超えたかもと思ったのはゲストふくめた声優陣の演技の嵌り具合。大胆なキャスティング、収録時の息の合わさった様子をしのばせる掛け合いなど、非常に"聴き"どころが多かった。最終話はアイデンティティが揺らされて主線が震えだすアザゼル篤史の動画の素晴らしさから目が離せない。

「波打際のむろみさん」全13話視聴完了

ハーレムコメディのルックスながら、最終話は主役である男子高校生たっくんが、自由な精神を持つ人魚のむろみさんに手づくりプレゼントをして、少し素直になった距離を示すという通常とは逆といえる構図で収まったのがシリーズ構成として斬新だった。UMAものとしてキャラクターが豊富なのが楽しかったが、その一人として宇宙人まで出てきた拡大解釈ぶりが闊達で良い。フリーハンドの背景美術と合わせて、型にはまらない感性の楽しさを言外でも表現していた好感のもてるコメディだった。フォルムをあえて簡略化した水エフェクトなど作画の見所も多い。

戦姫絶唱 シンフォギアG

第一期とは監督やキャラクターデザイナーが交代。絵柄については自分には違いが分からなかった(同時に違和感がなかった)が、演出はアクション面がより強化されておりキレのいい動画が連発。設定説明がほぼ皆無なシナリオと合わせて、テンポの速さで独自性を出そうとしている感触の思い切りのよさは、前シーズンと変わらないあたりに好感をもった。