SHIRO′S SONGBOOK

SHIRO′S SONGBOOK

SHIRO′S SONGBOOK

これまでそんなに愛聴していた盤でもないんだけど、ふと思い立って風呂場にて防水プレーヤーで聴いてみたら、ゴスペル・コーラス隊やR&Bシンガーが主役に構成されているだけあって、まるで歌手たちの声が管楽器のように豊かに深く響く! ちょっとした音響環境の変化によって生まれた感動体験でした。自分は当時のCM曲としてよくTVで流れていた『STUCK ON ME』が目的だったけど、劇場版エヴァンゲリオンの主題歌『THANATOS 〜if i can’t be yours』のヴァージョン違いが複数入っていたのにも実にオトク感持ちました。再販されるといいのに。

乙

昨年、バンドメンバーの逮捕という不祥事により発売延期となってしまっていたアニメ「へうげもの」に寄せたコラボレーション・コンセプトアルバム。すっかりあきらめていた頃のリリース発表だったのでかなり嬉しかった。計15曲、約51分のボリュームで2000円という価格はけっこうお得。これらのドライで瓢軽た曲が、BGMや主題歌として劇中で用いられる機会が喪われたのは、やはり重ねて残念な事だった。ジャジーではあるけど、フュージョン色も強い。キャラクターイメージ曲の多くが有名ポップスのカヴァーという体裁で、本歌取りという趣向でもある。

君の神話 -アクエリオン第二章

君の神話~アクエリオン第二章

君の神話~アクエリオン第二章

パチンコ機採用に端を発して人気がアニメ層以外にも飛び火した、例外的ヒット曲である前作からのプレッシャーを華麗にはねのけたといえる菅野よう子最新にして会心の一枚。今回は作詞も手がけており(Gabriela Robin名義)『畏れ』『灰になるため』『静寂の冬に還る』など、カップリングの「月光シンフォニア」ともども前作より陰陽バランスを強く意識したイメージが聴きこむごとに深まるのは、聖歌の要素を取り入れた曲アレンジと歩調が整っている。アップテンポなのになぜか心を浄化されるような不思議さは、前作と同様で期待以上の満足度のシングル盤だった。菅野自身が手がけるピアノパートの比重が高い「月光シンフォニア」はカラオケver.がサントラ収録曲並みの独立度なのもすごい。

Wonderful Life (JUJU)

Wonderful Life

Wonderful Life

ブルージーというのかジャジーというのか、よくは分からないけど渋めだったデビューの頃からするとポップ寄りになったのだなあと。でも売れてよかったと思える実力の人ではある。今回は「モノノ怪」ED曲『ナツノハナ』(作詞の橋本みゆきはひとむかしはアニソン歌手として有名だったよな<追記:歌手の橋本氏とは別人の模様。失礼しました>)目当てだったけど、他にも同じくCHOKKAKU編曲が二曲、鷺巣詩郎編曲が一曲入っていてそれぞれ好みだった。ポップスの第一印象ってもしかしたらまずはアレンジャーにかかってるのかもなあ。

攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

年に一度ぐらいは必ず聴きたくなるのは、映画本編同様にコンパクトに作品コンセプトを纏め上げてるパッケージングのキャッチーさ…(カタカナ多いな。なんか脳へたれてんのかな)。民族打楽器をベースにしたアンビエント調のトラックが基調の中で時折弦楽器による清澄感のあるフレーズが挟まる様は、ちょうど作中での1シーンであった海中から光にじむ水面へと浮かび上がる間合いのよう。数度に渡って繰り返される謡いの曲も不思議と序々に盛り上がりを感じるから、いわばこれはセリフのないCDドラマとしても聴ける盤なのかもしれない。ボーナストラックのアイドル歌謡風のボーカル曲「毎天見一見!」も川井憲次もこういう菅野よう子的フットワークの軽いなりきり仕事できるんだーと意外になるさわやかなアイドルポップスで聴き飽きない。

プレパレード

プレパレード

プレパレード

(でも実はiTSで購入)
一度しか見たことないアニメ「とらドラ!」OP曲。あまりの完成度の高さに耳から離れずつい買ってしまった。80年代調テクノサウンドにアニメ声まんまで歌う女性声優三人の早口ボイスをのっけながらもダサクナーイ。というかダサさを逆手に取ってる(余談ながら収録時間が3分代と短いのも昔のアイドル歌謡風)戦略性を感じる。マクロスFといい、2008年ってアニソン史上かなり重要な年だったんではなかろーか。ところでこの歌って、早まわし加工とかして、ないの? カラオケではたして歌えるんだろーかってぐらい舌回っててすげえ。

娘フロ。

マクロスF (フロンティア) O.S.T.1 娘フロ。

マクロスF (フロンティア) O.S.T.1 娘フロ。

むすめふろ。と読むとまるでエロ漫画のタイトルみたいだが、実際は中国語っぽくにゃんふろ。。サントラカテゴリとして取り扱いされているものの、実に全24曲中12曲がボーカル作品で、ほぼ挿入歌集といった方が精確な感じ。ライナーノーツ企画も作中世界の架空キャラの対談によって行われており、歌モノに比べてBGM曲の解説がテキトウすぎるのがパンチ効いてる(あれ佐藤大の仕事っぽくない?)。アニマックスで追いかけてる身なので、本編よりもこちらが初聴きとなる歌もいくつかあったけど、その中では『インフィニティ』がしみじみ聴けて特によかった。岩里祐穂の詞は軽さと重さ、情緒と考察といったバランスが半々に取れており、しかも曲のテンポをがっちりつかんで合わせているのが流石のキャリアだなあと。あと、序盤にボーカル三曲連続させて、シェリルのライブ音源からの収録としている趣向と作りこみが面白い。マクロスFはノリノリですなあ。