第59回2021冬調査

アニメ調査室(仮)さんにて開催中。以下、回答記事です。

 

2021冬調査(2020/10-12月期、終了アニメ、56+1作品) 第59回

01,まえせつ!,x
02,無能なナナ,x
03,魔女の旅々,x
04,ぐらぶるっ!,x
05,ギャルと恐竜,x

06,体操ザムライ,A
07,まるまるマヌル,x
08,安達としまむら,x
09,神様になった日,x
10,アクダマドライブ,x

11,トニカクカワイイ,x
12,くまクマ熊ベアー,x
13,魔王城でおやすみ,x
14,神達に拾われた男,x
15,レヱル・ロマネスク,x

16,憂国のモリアーティ,F
17,土下座で頼んでみた,x
18,炎炎ノ消防隊 弐ノ章,x
19,兄に付ける薬はない! 4,x
20,戦翼のシグルドリーヴァ,x

21,ゴールデンカムイ 第三期,x
22,おちこぼれフルーツタルト,x
23,池袋ウエストゲートパーク,x
24,別冊オリンピア・キュクロス,z
25,メジャーセカンド 第2シリーズ,x

26,かえるのピクルス きもちのいろ,x
27,100万の命の上に俺は立っている,x
28,エタニティ 深夜の濡恋ちゃんねる,x
29,いわかける! Sport Climbing Girls,x
30,秘密結社 鷹の爪 ゴールデン・スペル,x

31,もっと! まじめにふまじめ かいけつゾロリ,x
32,カードファイト!! ヴァンガード外伝 イフ if,x
33,シルバニアファミリー ミニストーリー ピオニー,x
34,ヒプノシスマイク Division Rap Battle Rhyme Anima,x
35,ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII,x

36,キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦,x
37,ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会,x
38,ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN,x
39,ハイキュー!! TO THE TOP 第2クール,x
40,アイドリッシュセブン Second BEAT!,x

41,BanG Dream! ガルパ☆ピコ 大盛り,x
42,A3! SEASON AUTUMN & WINTER,x
43,魔法科高校の劣等生 来訪者編,x
44,ご注文はうさぎですか? BLOOM,x
45,どうしても干支にはいりたい2,x

46,ツキウタ。 THE ANIMATION2,x
47,禍つヴァールハイト ZUERST,B
48,One Room サードシーズン,x
49,アサルトリリィ BOUQUET,x
50,ゾイドワイルド ZERO,x

51,NOBLESSE ノブレス,B
52,GREAT PRETENDER,x
53,それだけがネック,x
54,(全13話) 忍者コレクション,x
55,(特番 8話) 大人にゃ恋の仕方がわからねぇ!,x

56,耐え子の日常 (2期),x

参考調査

t1,(参考調査) HERO MASK Part2,x

 

 

<寸評>

「体操ザムライ」A:最後の最後で話の全体図がパァーッと広がる。スタッフ連携が密だからこそ決まる、シリーズものの快感が最終話で味わえた。体操アニメーションも素晴らしい。音響含ㇺ。

「禍つヴァールハイト ZUERST」B:スマホゲームの前日譚。オリジナルストーリーのファンタジーアニメという事で毎週、展開が無心に楽しみだった。終わり方にいまひとつ締まりがなかったのが惜しい。

「NOBLESSE ノブレス」B:韓国web漫画原作。耽美BL系統だが、Production IGは丁寧にアクションと青春ドラマを組み上げた。国際製作アニメの新しい風を感じる快作。 

 

2020年観れなかった映画たちの供養碑

行こうかなと思ったけど、結局見送った映画の備忘録。

まあCOVID‐19への警戒とはあまり関係ないです、わっしの場合。

 

<身につまされそうだったり歴史の知識としてしんどいと分かってたり痛いのがかわいそうだったりで枠>

「さよならテレビ」

「家族を想うとき」

レ・ミゼラブル

「赤い闇」

「ドヴラートフ レニングラードの作家たち」

「異端の鳥」

「屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ」

「アングスト/不安」

 

<共感が十全にできないのではと躊躇した枠>

WAVES

「本気のしるし<劇場版>」

「東京の恋人」

「マティアス&マキシム」

 

<迷ってたりモタモタしてる内にタイミング逃した枠>

「鵞鳥湖の夜」

「ある画家の数奇な運命」

ばるぼら

「マーティン・エデン」

「17歳のウィーン  フロイト教授 人生のレッスン」

シェイクスピアの庭」

「オフィシャル・シークレット」

「なぜ君は総理大臣になれないのか」

 

 

…つらさ耐性はさておき、恋愛ジャンルに、自分の人生における可能性への見切りがはっきり見えるのがなかなかキます。

話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

■「話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選」ルール
 ・2020年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
 ・1作品につき上限1話。
 ・順位は付けない。

aninadoさん、集計ありがとうございます。よろしくお願いします。

 

 

「歌舞伎町シャーロック」第24(最終)話『歌舞伎町で会おう』脚本:岸本 卓 絵コンテ・演出:松原健一 作監:式部美代子(他)

成人男性たちが自らの弱さをさらけだして、救えなかった“友”に別れを告げる。社会心理学でいうセルフケアの概念がアニメで出されてきたのが新鮮だった。

 

「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」第6話『CIRCLED 円環の世界』脚本:舞城王太郎 絵コンテ:久保田雄大 演出:久保田雄大、栗山貴行 作監:浅利歩惟、豆塚あす香

歪んだ連続凶悪犯たちが乗り込むノスタルジアトレイン。彼らの心のうちの閉塞ぶりがローカル鈍行列車の空気に合いすぎていて、地方民の自分には臨場感ありまくりだった。主人公が泣き声になる瞬間の津田健次郎氏の演技は圧巻。

 

ドロヘドロ」第11話『ザ・ボス/屋台で逢いましょう』脚本:瀬古浩司 絵コンテ:林祐一郎 演出:新井宣圭 作監:小松寛子、吉田駒未、山崎杏理

ラス前にぶっこまれたラブコメスラップスティックギャグのBパートは今年いちばん観返した。セリフの掛け合いも動作一つ一つも笑えすぎる。

 

「ソマリと森の神様」第6話『息の根はる花は鳥を仰ぐ』脚本:永井真吾 絵コンテ:安田賢司 演出:岩田義彦 作監:高木玲奈(他) 総作監:田中 穣、伊藤郁子

洞窟の背景美術の美しさ、そしてゲストのハーピー少女が清楚さと妖艶さを兼ね備えたデザインで素晴らしかった。そしてエピソードの落としどころの据わりの危うさ。

 

「BNA」第5話『Greedy Bears』脚本:うえのきみこ 絵コンテ:今石洋之 演出:総廣智行 作監:すしお

作画と時を同じうして急回転するヒロインのツッコミ力。くまのジャッキーを演じた藩めぐみには助演女優賞をあげたい。あと山田太郎グマの存在。

 

「啄木鳥探偵處」第10話『幾山河』脚本:岸本 卓 絵コンテ・演出:半田大貴 作監:山崎敦子(他) 総作監:原 修一

病に弱りつつある啄木が、さすがに来し方行く末をみつめはじめて帰郷する。車中シーンでBGMとして流れる古川慎の挿入歌が、朗々と新劇的でやけに印象に残り“近代日本文学の青春”という字句が浮かぶ回。

 

「NOBLESSE」第8話『フランケンシュタイン/First Contact』 脚本:ハラダサヤカ 絵コンテ:頂 真司 演出:原田奈奈 作監:山村直己、山岸正和 

ゴシックもアクションもBLもギャグもこなすよ!こなしすぎだよ!でも破綻してない不思議! …どうせ“フランケンシュタインの怪物”の方がモチーフなんでしょと高をくくってたらちゃんとフランケンシュタイン博士だったのにも感心した。舐めすぎか。

 

「禍つヴァールハイト -ZUERST-」第10話『Break Free』脚本:百瀬祐一郎 絵コンテ:小野竜太(他) 演出:新留俊哉 作監:Oh Eun soo(他)

こちらは脱獄にアクションにホラーに復讐劇に。津田健次郎キャラを使い倒していて「…無茶苦茶じゃねえか」ぶりで入り込ませる回だった。クライアントに自由にさせてもらえるオリジナルアニメの醍醐味。

 

おそ松さん 第三期」第10話『ZANSU/人狼脚本:松原 秀 絵コンテ・演出:山井紗也香 作監:渡邊葉瑠、和田佳純

特にテンポが優れていた回。AパートはSASUKEパロディ。F6の勢いで大衆の声援を受けるネタは今年のキメツフィーバーへの風刺を感じた。Bパートは人狼ゲーム。最初からネタを割ってきているあたり腰が据わっていた。

 

「体操ザムライ」第11(最終)話『体操ザムライ』脚本:村越 繁 絵コンテ:宇田鋼之介 演出:清水久敏(他) 作監吉田正幸(他) 総作監:本田敬一(他)

ラストの押しも押されぬプリンシパルとなったレオが跳躍する一瞬で、もう説明は要らない。過去はうしろへ押し流されていくけど、それでも未来へすべては繋がっている。

2020年11月に読んだ本まとめ

江戸の人気浮世絵師

江戸の人気浮世絵師 (幻冬舎新書)

江戸の人気浮世絵師 (幻冬舎新書)

  • 作者:内藤 正人
  • 発売日: 2012/07/28
  • メディア: 新書
 

江戸時代の代表的浮世絵師15人を、当時の評論メディアによる番付や日本美術史における重要度をかんがみて選出。当時の相対的評価や、現代での研究上の位置付け、また絵師個人の生涯も端的に知ることができた。

 

ラスト・ストーリーズ

ラスト・ストーリーズ

ラスト・ストーリーズ

 

遺作となった短編集。技巧が深すぎるために読みが追い付きづらい部分もいくつかあったが(露出狂のケースを扱った作品は訳者解説を読むまで意味をどうにも取れなかった)が、最後に収録された少女ひとりと中年女ふたりの間の微妙な空気とその余波を描いた作品はトレヴァーにしかあぶり出せない情景だなと感じ入った。真相は藪の中に置かれたままの母と青年の会話の作品もいい。

2020年10月に読んだ本まとめ

遊郭

遊廓 (とんぼの本)

遊廓 (とんぼの本)

  • 作者:豪, 渡辺
  • 発売日: 2020/06/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

現存する各地の遊廓建造物を写真で紹介したもの。色タイルとステンドグラスの多用が印象に残る。売春資本が公的認可され、やがてかつての苦界としての姿が溶解していく歴史を解説した著者自身のコラムが勉強になった。それにしても、昭和中期まで稼働していた施設が多いせいか、意外と陰鬱ではなくてむしろポップさが入った内装なんだなと感じた。

 

月岡芳年 月百姿 

月岡芳年 月百姿

月岡芳年 月百姿

  • 作者:日野原 健司
  • 発売日: 2017/09/04
  • メディア: ペーパーバック
 

数十年イチオシの浮世絵師である芳年だが、遺作となったこの続きものを通して鑑賞したのは初めて。あらためてこのレベルの発想と構図とを百枚描き通したのは凄い筆力と気力だと思う。それにしても荒事だけではなく、忠義や仁性をほのめかすのみの趣向の多さには、昔の日本人の教養の高さを感じた。

 

2020年9月に観た映画まとめ

マルモイ ことばあつめ ('19 韓国/監督:オム・ユナ)

やや人情もの寄りの演出になっているのが自分のストレート・ゾーンからズレていたが、母国語を自由に綴り出版する権利そのものよりも、行為としての辞書編纂に命を賭ける(観念上は同じことだがシナリオセンスの問題)ストーリーには心を動かされるものが。暗くならない案配のサスペンス要素で飽きずに観られた。

 

TENET ('20 アメリカ/監督:クリストファー・ノーラン)

白状すれば、最終作戦の経過とかラストの主人公の殺人行為の意味とか完全にわからない!でも画面のインパクトと、折々に像を結ぶテーマのためのイメージ(ボートから思いきりよく海面に飛び込む水着の女性等々)とで楽しめた。ノーランは映像の魔術師。物語の紡ぎ手としての技量は保留中だが。

2020年8月に観た映画まとめ

透明人間 (’20 アメリカ・オーストラリア/監督:リー・ワネル)

犬は無事だが身内は大惨事です映画。トンデモSFアイデアでシナリオ構築してるものの、今の進歩スピードなら10年後実現してるやもしれぬ‐‐‐とギリギリ思わせて、どうにか没入感を損なわない。スリラー演出のタイトさ、展開の読めなさ、ラストの会話のキレとかなり美点の多い作品。あと人種キャスティング案件でここまで自然に対応された映画はなかなか無い。

 

スピリッツ・オブ・ジ・エア (’88 オーストラリア/監督:アレックス・プロヤス)

寓話ファンタジーのようなポストアポカリプスSFのような。若い頃に観ていたらまた印象深度が違ったかなーと思った。こういう赤い砂漠みたいな場所で孤立した風情の人々って、80年代後半のCFでよく見かけたが、それはむしろ「バグダッド・カフェ」の方の影響か。

 

海辺の映画館 - キネマの玉手箱 (’20 監督:大林宣彦)

率直にいって半分以上寝ていた。メイン人物たちが時空を超えて活動映画を駆け抜ける趣向が、総大成というより焼き直しに見えてしまって。幕開けと閉幕の現代サイドは好き。